2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

文学のエコロジー 第5章

著作権前史 活版印刷が始まると商売気も強くなるし、著作物と著作者がつよく結びつくようになる(口承文芸が写本のような代々語り継がれていくような形態でなくなる)。となると、問題になるのは著作権。むかしは著作権なんてものはないから海賊版や贋作も当…

日本の物語文学 第5章

前期物語の試み ざっくり言えば、源氏物語に至るまでの諸物語の画期性と失敗、といった内容。 文学は基本的に過去の名作を踏襲し、しかし少しずつ形を変えて続いていくものだから源氏物語がそれ以前の作品から取り入れている要素が多いのは当然。しかしこの…

心理臨床の基礎 第5章

学習理論・認知理論 学習理論は心理学のなかでも特に楽しい部分だよね。パブロフの犬とか。そして放送大学に入学してから「教育と心理の巨人たち」→「心理と教育を学ぶために」→「心理学概論」と何度も刷り込まれたのでいい加減におぼえました。まだ負の強化…

ドイツ哲学の系譜 第5章

フィヒテとシェリング 観念論ってのは単純に言えば「われわれが知覚できるものは、われわれ自身の感性と知性に依存している」というものだが、カントは同時に実在論をも主張した。本来その二つは相容れないものなのだが……、一方を「超越論的」観念論として、…

文学のエコロジー 第3章

中世文学とパトロン パトロンといえばルネサンス期のメディチ家が思い浮かぶが、もちろんそれ以外にもパトロンは存在した。今回はパトロンがどう中世文学を支えていたのか、というお話。 前章までの話からも分かるように、このころの文学とは写本が中心であ…

日本の物語文学 第4章

伊勢物語2 前回は伊勢物語の「愛」が焦点だったが、本章は「旅」にフィーチャー。 物語のよくある話型に『貴種流離譚』というのがあるそう。高貴な血筋の主人公が不運な事故・陰謀などで放浪の身となり、旅先で出会った人々を救ったり悪党を退治したりして…

心理臨床の基礎 第4章

精神医学 たのしいライフサイクル論の時間は終わり、今回は精神医学とかいきなりヤバそうな分野に足を踏み入れる。教科書読むと「生きていることの意味と物語」「新しい精神の科学」とか書いてあるし、なにこれ。新興宗教? 教科書は冒頭からゲノムとかニュ…