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日本の物語文学 第3章

伊勢物語


 伊勢物語ってなんだっけ。

    紀貫之が作者……? あ、それは土佐日記か、ってレベル(ガチです)
 どうやら源氏物語の前身となるハーレム物らしい。冒頭文は、

 

 むかし、男、初冠して、平城の京春日の里にしるよしして、狩にいにけり。

 

 やべえ、全然知らねえな。平城の京とかいってるくらいだから奈良時代が舞台なんだろう。そうだろう。でも主人公の在原業平平安時代の人だな。作品が完成したのは十世紀後半とか書いてあるし。もうよく分からん。
 ちなみに流布本を校訂して第二の作者と呼ばれているのは定家さんだそうです。本物の作者は不詳。複数の人物によって書かれたものだろうと見られている。

 

 伊勢物語に出てくる女性は「女」としか書かれてなくて、『和歌知顕集』『冷泉家伊勢物語抄』で誰が誰かと揣摩憶測されているようだ。もっともその読み方は、室町時代一条兼良に否定されているのだが。

 内容は不倫・ロリコン・近親相姦、なんでもござれ。特にお后との不倫、という設定が好まれたよう。「天皇というタブーへの挑戦」とか教科書には書いてあるけど、まあ今も昔もロイヤルプリンセスと結ばれる妄想をするのは変わらないということです。(佳子さまとか可愛いもんね)

 

 伊勢物語にしろ源氏物語にしろ和泉式部日記にしろ、なぜハーレム物なのか? たくさんの男女が出てくるオムニバスではだめなのか?
 教科書いわく、これは物語文学が「男のライフ・スタイル」「女のライフ・コース」という統一感を大切にしたため、とのこと。オムニバスだと人間の多様性は描けても人生の成熟は描けないとかなんとか。人間の心の成熟を希求するのが物語文学ジャンルなのだとか。

 

 前章の如意宝という観点で考えれば、在原業平光源氏という大きな宝に、小さな宝の女性が引き寄せられるという構図になる模様。
 これによって、物語の書くべき主題を「愛」とした竹取物語に続き、人間の愛に関する探求を格段に深めたのが伊勢物語なのだとか。

 実際、伊勢物語の影響はでかいようだ。
 天皇の妻と密通して子を孕ませるとか超ショッキングな発想だけど、それが源氏物語で割と受け入れられているのは、伊勢物語が先行しているから。
 こんな感じで源氏物語には伊勢物語の引用が多数ある。