心理臨床の基礎 第1章

(1)心理療法
 心理療法は人間の負の側面を扱う故に危険を伴うものであり、熱意や親切心とは異なった専門性が求められる。また実際的訓練を受けていることも必要。クライエントが自分独自の解決を見いだす援助をするものであり、「じゃあ、こうしたみたらどう?」と安易にアドバイスするものとは本質的に異なる。

(2)臨床心理学
 心理療法よりもう少し広い実践行為を前提とする学問。健康的な人であっても学問の対象であることが要点。この臨床心理学の実践のことを「心理臨床」を呼ぶ。

 

2 心理臨床の専門性4領域
(1)査定
(2)面接
(3)地域援助
(4)研究・調査

 

3 臨床心理学が生じた4つの実践現場
(1)児童相談の現場
 はじめて「臨床心理学」の語を使用したのはウィットマー
(2)医療現場
(3)教育現場と戦争現場
 IQで知られる知能検査は、もともとビネーがフランス文部省からの委嘱をうけて作成したビネー・シモン知能検査に原型がある。
(4)職業指導の現場

 臨床心理学が様々な現場からの要求に答えるかたちで発展してきた学問である。

 

4 その後の臨床心理学
 日本の臨床心理学が本格展開を始めたのは第二次大戦後(米国文化流入後)である。

 


 まだまだ発展途上の学問だなという印象。心理学の歴史が浅いのは散々学んできたが、そのうえ日本における臨床心理学の歴史はわずか70年足らず(!) 100年後には現代の心理療法もアナログすぎて笑われているだろう。メスメルの催眠療法が今は否定されているように。