読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本の物語文学 第1章

1 物語とは何か

 真実と虚構が融合したもの。例えば源氏物語は、歴史的事実に準拠しながら虚構を織り交ぜてつくった作品である。また、その意味では作り物語と歌物語は別個のものではない。

 

2 物語は何でないか
(1)神話との比較
 神話は現実世界の「起源」を説明するものである。物語はあくまで虚構。
(2)歴史との比較
 物語が歴史に準拠する点があるのは事実。だが、一度失脚した人物が権力の絶頂に立つことは歴史的にありえないのに、光源氏はそれをやってのける。そこが歴史との違い。なお、紫式部は源氏に「歴史より物語のほうが人間と世界の本質を書き留めている」などと言わせてるらしい。
(3)エッセイとの比較
 エッセイは自らの思想を一人称で書き付けるものであるので、そこには展開性が求められない。そこが物語との違い。

 

3 作者の存在にみる、物語の魅力
 物語は作者の主張を前面には打ち出しにくい、一見遠回りなジャンルである。実際、ほとんどの現存する物語の作者は不詳である。(竹取物語とか?)
 ただ、物語は作者の名前が不要なジャンルでもある。作者が不詳であっても、優れた物語を読めば作者の人間性がわかり、語る内容と語る作者の魅力が合体したときに名作が生まれる。一方で作者の個性が爆発しているのが枕草子徒然草などのエッセイ。

 

 結構とっちらかってた印象。第一回目の授業にはありがちなことだけれど。
 とにもかくにも、源氏物語が古典文学の最高傑作!という前提で話が進むのでどーにもつっかかる。確かに日本の古典物語文学の中ではそうなのだろうけれども……、ダンテの神曲でも思ったが歴史的価値と作品の面白さは凡人にとっては別物なのである。

 物語とはなんであるか。古来の作品を分析するうえでは重要な観点かもしれないが、現代以降はもうナンセンスな気もするなあ。ふらんす物語修善寺物語、次郎物語……いろいろと近代以降の作品名はでてきたけれども、現代以降で、たとえば西尾維新が物語とは○○である! といった思索をもとに化物語を書いたのかな? なんて思ってしまう僕である。もっともそれは「理論が先にあって小説がかかれるのではない」という島内先生の言葉に誤魔化されておこう。