感想『人格心理学』

 前書きで先生も自嘲してますが、だいぶ「奇怪な」人格心理学です。

 心理臨床的色彩が濃いのは私好みで結構ですが、さすがに錬金術のところは冷汗かくよね。『心理臨床とイメージ』を越えてきました。臨床心理はやっぱりサイコだ……。


 テレビ授業なのだが、基本、大山先生と見つめ合うばかりなのでもう少し映像を駆使してよかったのでは。いや、これも心理カウンセラーの誠意の現れなのか。


 放送大学の臨床心理科目は受け尽くしたと思っていたので、面白かった。エディプス・コンプレックスの説明は大山先生が一番うまかったと思う。


 試験は択一。持込不可。

 素直な問題が多いので対策とかは特にない。

 逆にいえば小細工は抜き。教科書をちゃんと読むかにかかっている。10章は暗記系が多いか。

 放送授業でしか言ってないことから出す、ってことはあまりなさそう。

 H29の過去問とだいぶ似ていたのだが、一年前の問題から使い回すのだろうか?

感想『中高年の心理臨床』

 隠さず言えば、あまり面白い科目ではなかった。

 先生によるけれど、統計数値を羅列されたり、根拠の薄い解釈を述べられたりと、うーん、いまいちノレなかったのは私がまだ中高年ではないからなのか。でもさすがに、自作の詩を載せるはいくらなんでも(自粛)


 全体的に講義のまとめ方が「より一層の社会支援が必要である」「新たなシステムの構築が求められる」みたいなのばかりで、テレビでよくみる無責任な専門家的ニュアンスを感じてしまうのは、俺の問題?


 黒川先生の言った、

「おいくつですか? ○○歳!? とてもそうは見えないです!」

 的なお世辞は、聞きようによっては、若さこそがすばらしく、歳をとることに意味はない、と受け取られてしまう、という説明にはドキっとした。


 試験は択一。持込不可。

 8、9章は暗記系なので要チェック。

 5、13章は難しい問題は出ないので、基本スルー。

 2章を記憶するのは無駄な労力なので、あまり相手にしないこと。

 

 全編通して、教科書と放送授業を一緒にやる意味がうすいなーと思う科目。

感想『発達心理学概論』

 乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期、といつものライフサイクルの分け方で章立てされる授業。

 幼児期〜児童期でテキスト半分使っているので、こどもメインの内容といえる。しょうじき、〜か月で原始反射が消失、〜歳で○○期に移行、とか暗記ポイントが刻まれすぎてつらい。子育て経験のあると有利かも。


 青年期の授業で「今時の若者の心理を巧みに描写する小説」として『野ブタを〜』と『桐島部活〜』が引用されたのだが、微妙に古くない……? って思った。秀逸な作品だし今も通ずるとは思うけど、まだあの頃はスマホとかラインとかないしなあ。まさしく今を生きる子たちの方が、更にいろいろ大変な気がする。


 怒髪天さんのコメントは、大人の身で聞くと感慨深いものがありますね。まあ、大人の方が気楽なことも多いよね(ラクショーではないけど)


 以下、試験対策。

 択一。持込不可。

 高得点を狙うなら、乳児期〜児童期の発達内容と時期をいかに覚えるかにかかってくる。ピアジェはほんと面倒な理論を提唱してくれたよな全く。

 3章の発達研究も暗記系問題頻出。

 青年期以降は、素直な問題が多いです。

感想『初歩からの宇宙の科学』

 吉岡教授と、ハイスペッカー黒田さんによる高度なやりとりにひたすら置いてけぼりを食らう科目。


吉岡教授「……というビリアルの定理が成り立つわけです。ここまでは大丈夫ですか」

黒田さん「はい、大丈夫です」

わたし「^o^」


 前半は古代の宇宙観や惑星の話などおもしろいこと尽くしなのだが、後半の恒星あたりから徐々に化学や物理学の知識が顔を出し初め、ブラックホール・銀河・相対性理論……に至るころには完全にお手上げ。


 なにげにテキストを読み切るのは哲学に並んで厳しい科目だった。授業では省かれるところも多いので(そして授業で省かれるところは大概テストには出ないので、)すべて読み切るのが辛い場合は先に放送授業から聞いてしまうのも手かと思う。


 扱われる数値がまさしく天文学的というか、スケールがでかすぎて「人間ってちっぽけだなあ……」と思い続ける、ある意味癒し系科目。心理学やるより治療効果あると思う。


 以下、試験対策。

 択一。持込可。

 授業では数々の数式に打ちのめされるのだが、じっさい数学の知識が求められる問題はほぼ出ない。テキスト見ながらで通信指導の問題が解けるなら満点も十分可能。過去問の使い回しも多いので、印刷して持ち込んでおくと数点は確実に押さえられます。吉岡先生の優しさに感謝。

感想『現代フランス哲学に学ぶ』

 感想を一言で述べれば、

 フランス哲学は二度とやらん。


 愚痴りたいことが山ほどあるのです。

 授業が難解。これはもういい。哲学とはそういうものです。それでもなんとか踏ん張って教科書読んだ学生には解ける問題を用意してくれるのが放大の慈愛かと信じてきたのですが、この科目はそういうことも一切なし。試験難すぎ。

 これまで受けてきた択一の中では最高難度でありました。持込可だがテキストに答えは明記されていないので読み砕いて理解しなければならない……というのは持込試験なら当然ですが、その読み砕くレベルが尋常ではない。

 そもそも問題文や選択肢の単語が何処にも書かれていない。索引に助けを求めても無駄無駄無駄。「こんなもん全然書いてねーじゃねーか!」と突っ込むこと幾何ぞ。放送授業は教科書丸読みのくせに……。

 途中退席が誰もいなかった科目はドイツ哲学に続いて二つ目。それでもドイツはぎりぎり時間内に答え合わせ(回答と教科書との照合)まで終わったが、この科目はそれすら無理でした。まあそもそも教科書引いても分からんしな。


 はい次の愚痴。


 そもそも取り上げられる哲学者たちが地味なのである。

 負け惜しみ感がひどいのであまり言いたくはないが、どの人もパッとしないので全然覚えられない。フランス哲学ってこんな感じなのね……。

 サルトルあたりは馴染みがあるのでなんとかなるが、フーコーあたりの地味さ具合はやばい。何度教科書読んでも次開いた頃には忘れてる。哲学の価値が地味か派手かで決められるものではないのはむろん承知であるが、イギリスでいえば論理実証主義者たちがその他大勢にまとめられヴィトゲンシュタインが大きく取り上げられるように、どうしたって一人のスターを求めたくなるものじゃないですか! せっかく一般教養として勉強してるんだし!


 ベルクソンの扱い方にもいろいろ納得いかなくて……戸島先生は比較論者というのか、「ベルクソンがどうか」というより、「他の哲学・思想家・あるいはベルクソン自身の著作を比べた結果どうか」という解説をひたすら繰り返すので、(まあそれが分かりよい人もいるのかもしれないが)個人的にはどっちがどっちの主張だか分かんなくなるし、相違点を取り上げてんのか共通点の取り上げてんのかもこんがらがるし、文章は難解だし……教科書丸読みだし……

 

 もうこの辺でよそう。


 試験対策

 たぶんA○は取れてない、というか単位もらえれば結構です、という手応えなので対策とか書ける身分ではない。

 全受講後も頭の中は???で、平均点6割の過去問が50点という惨状。だったので全授業受け直すという苦行をこなした。教科書を読んでも理解が進まないのでそっちの方が速いと判断。

 その結果、平均点7割の過去問では90点まで行った。でも当日の感触を見るにあまり良い方法だったとはいえなさそう……。

 もう哲学はこりごりです……

感想『日本文学の名作を読む』

 私が文句ばかりいってる島内先生の授業。

 また源氏物語徒然草か……と思いながらほかに取れる文学科目がなかったので履修。


 あの……、

 今期は大いに助けていただきました……

 いつもお世話になってます……


 伊勢物語徒然草までは、まあいつも通りだな〜って感じですが、今期はあわせて『あさきゆめみし』を併読したので源氏物語の理解が進む進む。それに佐藤先生の近世文学がとってもおもしろいですね。特に怪談牡丹灯籠はプロの落語家が演じるのでかなりの迫力。白縫譚もNARUTO元ネタの宝庫で年代的に嬉しい。


 漱石以降も、まあ45分の授業ではつまみ食い程度だけれど、ようやく大学で近代文学の勉強ができた……という感動もひとしお。三四郎くらいはなんとか時間つくって読みたいものである。


 試験対策は特になし。

 最低一周は勉強しておいて、あとは教科書漁ってれば解けます。意外にも途中退席が少なく、みんな同じ戦法で臨んでるな〜……という印象。

 こんな書き方すると不真面目な学生っぽいけど教科書にしっかり書いてあることから問題を出してくれるのは、本当にありがたいことだなと思いました……。

 今期もありがとうございました……。

感想『精神分析とユング心理学』

 大場T&森Tの「心理カウンセリング序説」ペア。

 この科目は内容に触れるより、履修するまでの道のりが非常に永かったことからまず語りたい。


 放大科目には事前に「履修しておくことが望ましい科目」と「履修しておくべき科目」というものがありますが、この科目にたどり着くまでには、


「心理と教育を学ぶために」「教育と心理の巨人たち」

「心理学概論」

「心理臨床の基礎」

「心理カウンセリング序説」「心理臨床とイメージ」

精神分析ユング心理学


 という永い配合を経てきたわけです。ドラクエかよ……!(三年半かかりました)


 と、まあ専門科目でも上位に位置するわけですが、ここまで臨床心理系を学んできたならさして難解ではございません。特にフロイトの部分はだいたい聞いたことあるかな、って感じ。


 この科目最大の特徴は、後半の大場先生にあるといってよいでしょう。すばりテーマは「神話・昔話」。

 創世記やら古事記やらグリム童話やら日本昔話などなどを分析していくわけです。心理学なのに何故……? と思われる方。色々理由があるのです。受けてみれば分かります。


 大学入りたての頃は、フロイトの局所論、イド、エゴ、スーパーエゴ、とか、ユング夢分析・アニマ、アニムスとか、「はあ?……」って感じだったけど、今はだいぶ吸収できている感がある。というかそろそろ分かってないとヤバいよね。この科目もこれまで学んだことの総まとめ、という感があります。


 以下、試験対策。

 択一式・持込不可。

「心理カウンセリング序説」に引き続き、両先生ともテキストと放送授業が大きく異なります。そしてやはり、大場先生は放送だけで言ったことからもバンバン出します。特に神話・昔話・クライアントが語った夢、の心理学的解釈は絶対に押さえておくべき。

 正誤判別のポイントも結構シビアですよね……。某神話の設問とか大場先生の殺意を感じた。あんなん物好きじゃないと覚えてなくない?


 授業を受けたお陰か(あるいは副作用か)、さすがに自分がみた夢にも色々洞察することが増えた今日この頃。