2015年度後期科目感想

【日本文学概論】
島内先生の純文学的表現を苦笑いしながら楽しむ科目。ただの暗記文学史ではなく、より広い視点から概観できる授業構成はなかなかのもの。著名な文学者の多面的な業績が知れる。

 

【心理と教育を学ぶために】
基礎科目だけど意外と学術的で手こずる。正直いうと『教育心理の巨人』のが面白かった(まああれはお楽しみ科目みたいな感じだけど)。今後本格的に心理教育をやる人にとっては良い基盤となるだろう。試験は一発アウト暗記系の問題がちらほらあって狼狽する。

 

【実存と現象学の哲学】
浅く広くではなく一点集中、人と人との真の出会いの可能性だけを哲学的に問い続ける the 専門科目。結局のところ出会いは可能、という結論に落ち着くがその過程はあまりに煩雑。試験はこなせたけど本質は1割も理解できてる気がしない。脳科学をボロクソに言う。

 

【死生学入門】
勉強してることを話すと何か悩みでもあるのかと心配される科目。今期の癒し授業。分かりやすいし楽しかった〜。ただ内容はお年寄り and 医療系学生向け。第3章日本人の死生観が個人的ベストヒット。ちょくちょく千の風になってが流れる。

 

【西洋哲学の誕生】
難易度インフェルノ。神学への興味がないまま履修した者には必ずや天の裁きが降るだろう。試験はマーク・記述併用と鬼畜型。時間足りねーよ。とても共通科目のレベルではない。それだけに一番頑張った科目なので、詳細に

[1〜6:古代ギリシア

素直な哲学史ソクラテスプラトンアリストテレスが中心。それ以外の哲学者はあっさり。試験問題が暗記系に偏っているのは楽と見るか、つまらないと見るか。ソクラテスの暴走っぷりが知れて面白い。



[7〜10:ヘブライズム]
東大院より招かれし客員教授の容赦ない猛攻が始まる。旧新約聖書の哲学的解釈を学ぶのだが、専門的すぎっすよマジで。てか参考文献読んだけど教授の著書からの転用じゃねーか! とはいえ最高峰学術機関の授業が受けれたというのは万感の思いでもある。



[11〜14:ヘレニズム〜]
ヘブライズムの関所を超え、やっと純粋な哲学だ! と歓喜する学生を谷へ突き落とす最終部。そこかしこに「神への愛」「神を志向する」「キリストの受肉」みたいな言葉があふれていて頭を抱える。授業はテキスト音読なので携帯機器に入れてのながら勉強が捗る。

2015年度前期科目感想

【世界の名作を読む】
作品の魅力を学び、朗読を聴くだけのお手軽科目。なのにしんどかった記憶が多いのは全作品通読なんて変な縛りを設けたから。でもやって良かったと思う。でないと罪と罰には一生取り組めなかった。楽しい授業だったな。残る寂寥感。

【教育と心理の巨人たち】
内容は易しく面白く、飽きもこないという好い事尽くしの科目。やはり個人的にはフロイトがベストヒット。エリクソンの概念にも出会えて良かった。教育の分野には興味なかったけどそれでも楽しめたのは講義のお陰。

【英文法AtoZ】
序盤の過去形なんかは最高に懐かしく、終盤の構文を覚える頃にはだるくなっている。中学〜高校の記憶を呼び覚ましてくるノスタルジックな科目。予習・受講・復習がさっと終わるのでボーナスステージのよう。この科目とってなかったら破綻してた。でも試験対策には一番時間を割いた。

【哲学へのいざない】
一番の曲者。教科書の意味が分からず、放送授業に助けを求めると教科書丸読みという殺生な科目。そのくせ試験は平易で肩透かし。と文句ばかり垂れているが、理解できた瞬間には強烈な精神的絶頂に達することができる。飴と鞭の乱打。そして後期も懲りずに哲学へ挑む……

感想『文学のエコロジー』

 文学のエコロジー
 略して文エコ。

 総合科目なので内容は法律・経済にも及ぶ。が、まあほとんど人文科目といっていいでしょう。
 宮下先生の授業がどれも面白い。白話小説の話も興味深いが、12章は完全にただの歴史の教科書になってしまっていてあんまり……

 舞台は主に古代〜中世フランス。
 口承が文字になり、写本が活版になり、買取性が印税に……といった文学をとりまく時代ごとの文化を学ぶ。
 文学好きホイホイな科目。


 試験は教科書・ノート持込み可。
 この科目とってもおもしろいのだけど、私事をいうと……
 正直、講義は難しくないし持込み可だし、タカをくくってあまり対策していませんでした。
 そのうえセンターに向かう途中、「一応もういっかい過去問見直しとくかー」と教科書を開くと、
 過去問2回分やってないことがそこで判明。
 しかも思ったより難しくて全然解けない。

 時間いっぱい教科書を引きまくる試験になりました。A〇はキツいかなあ……。問題は素直なものが多いと思います。過去問と同じものもあり。

感想『ドイツ哲学の系譜』

 この科目の扉を開いたが最後、必ずや君は未知なる世界へと足を踏み入れ、そしてすごすごと引き返してくることだろう。

 むっずい。クソむっずい。
 今期ボスは間違いなくこの科目である。「ドイツ哲学ってちょっとおもしろそ〜」くらいの動機の奴。Welcome to inferno.

 この科目を一言で言い表せばこんな感じだ。

 受講前「ドイツ哲学って観念論でしょ」
 受講後「ドイツ哲学……? 観念論……?」

 まさに無知を知るにはふさわしい科目。
 要は意味不明ってことだ!

 面接授業で会った人に「わたし芸術の分野興味あるからドイツ哲学もやってみたいんですよね〜」と言われて僕は苦笑いすることしかできなかった。

 ショーペンハウアーニーチェを担当する湯浅先生だけが理解できる難易度で話してくれる(それでも易しくはない)。ニーチェのいうニヒリズムの意味や、永遠回帰説について咀嚼できたのはうれしい。

 教科書の難しさは『西洋哲学の誕生』に匹敵。『西洋〜』はヘブライズム以降が地獄だったが、『ドイツ〜』は湯浅先生をのぞく3人の分担講師、計10章が地獄といっていいだろう。
 正直ぼくは山田先生のヘブンリイな言語(婉曲)にすっかり打ちのめされて哲学する自信を失っております。終盤には教科書ひらくだけで拒否反応でるようになってた。

 ってか最終章のシンポジウムで佐藤先生がひたすら苦笑してたのが忘れられない。アンタに分からなかったら俺らにも分からんわ!!


 試験は教科書・ノート・国語辞典が持込み可。
 過去問の使回しなし。テキストにそのまんま書いてあるような問題なし。意味をかみ砕いて理解しないと選べない選択肢たち。講師陣やる気ありすぎである。良い問題です……
 択一式だけど30分退席するには相当教科書を読み込んでおかないと厳しいのではないか(この教科書を読み込むのがそもそも厳しいという問題もある)。僕のセンターも10人くらい受験してたけど、途中退室したのは1人だけだった気がする。というか下手したら時間切れもあり得る。「残り5分です」と言われたとき、「ああ……」と絶望の声を漏らしたおじさんがいた。

 国語辞典は僕は用意しませんでした。持ってないしどうせ電子辞書はダメって言われると思ったし。許可物品に載ってる理由がいまいちわからない。使われる単語が難しいからかな。でも哲学用語なんて国語辞書に載ってないことが多いし、引く暇があるなら教科書の索引さがしたほうがはやいと思う。

 哲学専攻を意欲する人なら避けては通れない科目。カントの『純粋理性批判』をすらすら読めたら天才、というのを聞いたことがあるけれど、この教科書もまあそんなところだろう。君の潜在能力が問われる。

感想『心理臨床の基礎』

 臨床心理学を学び続けるコア科目。
 フロイトユング・ロジャーズ……主要な心理臨床家に一通りふれられるし、認知行動療法や遊戯療法の回もある。ライフサイクルの講義も序盤に控えてるので、エリクソンとか興味ある人もおすすめ。

 難点はひたすら理詰めなこと。つまり実践がイメージしにくい。『教育と心理を学ぶために』の座学感と非常に似ている。『臨床心理学実習』の面接授業をあわせて取ると良いと思う。僕はそうしました。
 実習型の面接授業ってどうしても「先に知識を入れとかないとついていけないんじゃ……」って不安がつきものだけど、臨床心理学においてはまず実践やっちゃう方が早いんじゃないかな。もともと実践から生まれた学問ですし。

 試験は持込み不可。
 相変わらず心理検査の章から暗記系問題が一題は出る。
(例)○○に用いる心理検査はどれか
  ① AA法
  ② BB法
  ③ CC法
 みたいなやつ……
 そのほか、認知行動療法からも似たような出題があり、エリクソンの各段階の課題も覚えてないと落としたりするので、試験直前は2・7・8・12章あたりの重点的な見直しをおすすめしたい。

 小野先生の授業冒頭の「おのけいこです。」にはなかなかのヒーリング効果がある。あと越川先生はSっぽいしゃべり方するので少し怖い。本当にもう絶望的ですよ。

感想『日本の物語文学』

    この科目でいう「物語文学」とはつまり「〇〇物語」と名のつく文学たちであり、つまりは「竹取物語」や「源氏物語」のことである。近代文学をやりたい人は回れ右。最終章もなぜか樋口一葉で締めくくられる。

    島内裕子先生が主かと思いきや、前半を取り仕切るのはなんと旦那の島内さん。夫婦で日本古典研究者とは…

 

    別に難しくはないのだけど、全編通していまいちパッとしない印象なのは僕が日本古典に興味がなさすぎるから。

 

    2〜9章 竹取物語〜後期物語

    島内景二先生
    話型や如意宝といった概念が出てきてそれなりに新鮮だが、教科書に書いてあることが文学者たちの共通見識というよりは先生の個人的な思想な気がするのが辛い。

 

    10〜11章 擬古物語御伽草子
    島内裕子先生
    擬古物語は、すみません何も覚えてません…
いやでもこれは毎回毎回、浸透・蓄積・抽出化で話をまとめようとする島内先生が悪いと思います……。日本文学概論やった身としては食傷気味。

 

    12〜14章
    仮名草子〜後期読本
    佐藤至子先生
    名前は聞くけど区別はできない仮名草子浮世草子が学べてうれしい。が、筆者や作品名はぜんぜん頭に入らず(ましてや暗記なんて無理無理)、試験はテキスト頼り。作品たちが現代に近づくにつれだんだんと俗性をおびてくるのはじわじわ面白い。八犬伝ってこんな漫画っぽい設定だったんですね。

 

 

    最初から最後まで主軸にあるのは源氏物語なので、まあそういうものだと受け止めざるをえない。

    すごい今更だけど、大学の講義なのだから学ぶのは時代背景や歴史的意義なのであって、作品そのものの楽しさを確かめたいなら実際に読むのが一番正しくて手っ取り早いなと思った。

    試験対策は特になし。過去問やっておけば恐るるに足らず。

心理臨床の基礎 第6章

深層心理学理論

 

    フロイトが無意識を発見したというのはさんざん習ったことだけれども、今回は意外とまだ習ってなかった「エス・自我・超自我」が登場。

 

【エス】
無意識の奥底にあるもの。主として性的なもの(ザ・フロイト!)本能的エネルギーの源泉。サドのことではない。

 

【自我(エゴ)】
欲求充足のため現実的な手段を取り入れて形成されるもの。中間管理職的な。日常でつかう言葉の意味とはだいぶ違う気がするなあ。

 

超自我(スーパーエゴ)】
スーパーエゴ! すげえわがままな人みたい。エスの表出や自我の働きを管理。監査役的な。

正直よくわからん。


    このエス、超自我、現実世界を自我が調整して不安や深いから心を守るときに起こるのが、心理学でよくいう抑圧とか投影とかになる、と。

 

    ユングは心的内容が同一の感情によってまとまりを持っていることを発見。この心的内容の集まりを「コンプレックス」と呼ぶ。

    日常の場面で使われるコンプレックスは「劣等コンプレックス」の意であって、コンプレックスはそれ以外にも「心のしこり」とか「心の渦」のことを指したりする。

 

    無意識の領域を想定して人格を理解しようとする点で、フロイトユングは共通してる。

   

    二人は相違点は。
    フロイトが無意識を個人レベルの体験や欲動からなると考えたのに対し、ユングは無意識の中にも共通する普遍的なものがあると見いだした。これはユングフロイトの理論では解決できない統合失調症系の患者を多く相手にしたことによる。